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保険調査員の仕事について

こないだ久しぶりに学生時代の友人に会って、保険調査員の仕事について話をしたら、「なんだかマンガの主人公みたいだな」と言われましたが、確かに少しはそんなところがあるかもしれません。

推理小説やサスペンスなどが昔から好きで、最近も「22年目の告白 -私が殺人犯です-」ってやつを読みましたがかなりおもしろかったです。
まさかあんな理由だったとは、、、ちょっとだけ途中で気づきましたが、それももしかしたら保険調査員の仕事をやっていたからかもしれません。
怪しいなと思ったのは200万部を目指すというところで、これには何か違う目的があるのではと勘付いてしまいました。

話はちょっと脱線してしまいましたが、というのも事故原因調査の中で当事者からの話を聞くと大抵は本当のことをいきなりしゃべってはくれません。
相手の方からぶつかってきた、こっちの信号は青だった、自転車がスマホ見ながら運転していた、など都合の良いように話します。
そして相手方に話を聞くと、向こうからぶつかってきた、向こうの信号は赤だった、スマホを見ながら運転していたわけではない、といった回答が返ってきます。
いっそのこと当事者同士で話をつけてくれと思いますが、それを言ってしまったら保険調査員の仕事は務まりません。
お互いの話を聞いた上で依頼者である損害保険会社にレポートを提出しますが、「100:0」「50:50」のような過失割合もある程度算出することもあります。
先輩が昔担当した仕事の中には、運転者が覚せい剤を使用して事故を起こして、同乗者が身代りになったというものもありました。
こういった場合は警察と連携して尿検査や防犯カメラによるチェック、同乗者への聞き取りなどでウソを見抜いていくことになります。最近はドライブレコーダーがあるのでだいぶ助かっていますが。
基本的に人を疑う仕事なのでストレスは溜まるかもしれません。

保険調査員の仕事には「事故原因調査」「モラル調査」の2つがあって、最初は事故原因調査から慣れていって、ある程度数をこなすと単価が高いモラル調査を任されることになります。保険金の偽装請求とか自殺調査ですね。
自分もようやく生命保険の調査をさせてもらえるようになりましたが、死亡保険の場合は6ヶ月間の免責期間があるので加入して間もないうちに自殺と断定されると保険金が出ません。
ただ、事故による死亡であれば保険金が出ます。遺族にとっては数千万円を受け取れるかどうか、反対に保険会社にとっては数千万円を払わずに済むかどうか、の違いになるのでかなり大きいです。
慎重にならなくてはいけませんが、遺族が遺書(ブログ、ツイッターなども)を隠していないか、会社や交際関係でトラブルなどは無かったか、病気をしていなかったか、などを調査していくことになります。
関西では遺産や保険金を目当てにした殺人事件もありましたが、京都府警の捜査員の機転によって一連の事件が明るみになったようですね。
確かに結婚後1ヶ月後に亡くなって、多額の保険金がかけられていたのであれば高齢とはいえかなり怪しいです。

この仕事に転職した時によく先輩に言われたのが、調査とは「re-search」であるということ。つまりもう一度調べ直すということなのですが、収入は1枚のレポートあたりで決まります。効率的に調査することも大切ですが、1つ1つの案件を丁寧に調べ直すことが大切だと感じています。

保険調査員とは? 教えて!goo
損害保険リサーチ

医療保険の調査

医療保険会社から調査に入ると言われました Yahoo!知恵袋

こんな投稿を見つけました。ここに書かれているように確かに医療保険の告知に関してはかなりグレーゾーンの面もあるというか、実際にウソを記入して加入する人は多いです。例えばピルを飲んでいるのに書かなかったり、たばこを吸っているのに非喫煙者割引を受けようとしたり。確か芸人のダイアン津田さんも非喫煙者割引を受けるために禁煙されているとテレビで仰ってました。保険には加入したいけど、できるだけ保険料を払いたくないというのは誰もが考えることですしね。

実際、自分自身も足をケガして医者から手術を勧められたことがあります。別のクリニックでは手術は必要がないと言われ、半年ぐらい痛み止めを飲んだりシッブを張ったりで症状は改善していきました。完治したとは言えないですけど、告知書に記載する内容で「半年以内に医者から手術を勧められた」「現在服用している医療用医薬品がある」の項目には当てはまりません。このような状態で医療保険に加入の申込みをしても、最初の医院で診断された内容を言わなければ問題無く普通の保険料で加入できます。

告知の時効も2年で終了することになってますから、基本的に調査が行われるのは加入から2年以内の全件と、あとランダムでピックアップして保険金請求の案件を調査することもあります。健康保険の利用履歴などを公的機関で調べられればいいのですが、あくまで本人しか履歴を見ることはできません。なので、このグレーゾーンを調べるのは保険調査の中でもけっこう大変な仕事だったりします。

とある案件

保険調査の仕事でやはり苦しいのは告知の不適を判断する時です。こないだ担当した案件では、ご主人がどうもがんになっていることを自覚(便をする際に出血して通院しており、医師から検査を薦められていた)していたのにも関わらず、告知書には一切書かずに保険契約していたというパターンです。

こういった場合はほぼ保険金が支払われます。契約時に問題が無かったのであれば不当な不払いになりますし、告知の時効は2年なので契約から2年が経過すれば告知にウソがあっても保険金を支払うことになります。しかし、この2年の間にランダムで契約者を選んで自分のような調査員が告知にウソがないか調べることがあります。

先ほどのケースでは、契約後1年経ってからがんと診断されたことを連絡され調査することになりました。担当医師に連絡したところ精密検査を薦めていたこととがんの疑いがあることを被保険者に伝えていたことを確認し、報告書では契約段階での告知義務違反ということになりました。

しかし時効成立まで2年以内であっても、契約時に見抜けなかったのはこちらに落ち度があるので保険金は支払われました。営業マンは契約を取って歩合制で給料を稼いでいるから会社に不利になる契約でも薦めようとしますが、保険会社に迷惑かけるだけではなくて他の加入者さんにも迷惑かかるので本当に止めてほしいです。

もちろん、がんと診断されたことをだまっていたり、既往症の薬を飲んでいることを隠していたら、たとえ契約から2年が過ぎていても保険金は支払われません。今回のケースはグレーゾーンにあたるもので、告知条項には当てはらまないけれど、病気になっていることがかなり疑わしいというものです。

似たようなパターンで、半年以上前に通っていた病院では手術を薦められていたけど、現在通っている病院では手術は薦められていないというケースです。この場合も基本的に該当部分に関して不担保付きで契約するのが正解なのですが、この半年間は手術を薦められていない、ということになるのでグレーゾーンです。どの保険会社の営業マンも一度聞いてしまったら不担保になることを伝えるでしょうが、聞かなかったフリをして契約を勧めることもあるようです。自分のツライ仕事が増えるのは勘弁してほしいです。

転職ステーション-保険調査員ってなんですか?

生命保険の調査員になって

トラック運転手だったころに事故にあって、そこで自動車保険(損保)の調査員の人と仲良くなってこの仕事を始めました。本当は該当者と仲良くなってはいけないんですけど、なんか気が合って調査が終わってから飲みに行くようになりました。相手方の言い分のおかしいところを的確に論破していって、結局9対1の過失割合にしてくれましたからね。そういうところが気にいってその人自身に興味を持ってしまったわけです。

それで派遣会社に登録して、まずは損保系の調査補助をする仕事に転職しました。そこでは自動車事故の現場検証などを行って過失割合を決めたり、相手方に飲酒がないかどうか、変な話になりますが危ないクスリをやっていないか、合法的な医薬品でも眠くなる成分が入っているものを飲んでいないかなど、どんな過失があるのかないのか徹底的に1つ1つしらみ潰しに調べていきます。

そこで2年ほど働いて正社員に登用されたのですが、正社員になると休日出勤も当たり前で報告書を書くために毎日深夜までサービス残業。正社員になると固定給+歩合給になるので、契約社員と違って時給ではないんですよねー 年収は200万円ほど増えましたが、家族と一緒に過ごす時間も無くなってしまったので比較的落ち着いて仕事ができる生保系の調査会社に転職したわけです。

損保の時は車内で血がついた跡などを見ることもありましたが、生保の場合は基本的に人が亡くなっているケースがほとんどです。そのため死亡診断書を書いている病院の先生とも仲良くなる必要がありますし、疑問に思ったことを質問しなければいけないのである程度の医学的知識も身についてきました。例えばお風呂で亡くなっていた場合、心筋梗塞で無くなったのか、がんの持病があってそれに伴う死亡なのかで保険金の給付額も変わってきます。給付金はいらないからと言って解剖を望まない遺族の方もいらっしゃいますが、、、

共同通信-2016年生命保険保全手続満足度調査

保険金請求の満足度は毎年調査されてランキングされます。この調査によって加入者も増減するため、保険調査員も迅速な対応を行って基本的に2日以内にレポートを提出する必要があります。フットワークの軽さも大事ですねー

不払いかどうかの審査

今の仕事でイチバンしんどいのが「保険金を渡せるかどうかの審査」。例えば、健康状態が悪いのにだまっていて保険に加入していたんじゃないか、とか、本当はタバコ吸ってるのに禁煙割引を申請してきてるんじゃないかとか。加入者さんを疑うとキリがありませんし、その度に精神的に病んでしまいます。

ただ、まだ加入者さんに非があるのであれば仕方ないで済みますが、営業部隊が契約取るために推奨しているケースが過去に何度もありました。例えば、企業に飛び込み営業して分煙システムが整備されていないのにもかかわらず、本人が吸っていないという申告をするだけで禁煙割引の料率で加入してきたり。

聞き取りの段階で数年前に医師から手術を薦められていたのにも関わらず、わざわざ他の病院で手術の必要性がないという診断書を持っていて、しかもそのすべてを営業担当が把握していた場合などです。中には、「問題ない」としか診断書を出さないクリニックを紹介するような悪質なケースもありました。。。

保健学会-告知妨害

こんなことがあるとちゃんと健康状態を申告している他の契約者さんに不公平な負担をかけることになりますし、保険金の不正受給にもつながります。問題の本質は営業が歩合制を取っているからなんですが、うちの会社では違反営業してもほとんどペナルティはありません。

というのも、加入者さんが保険金を請求することってかなり少ない事例なんですよね。万が一、という言葉をよく聞くと思いますけど、保険期間中に亡くなる方は10%もいません。なので、残りの90%以上の方はどんな状態であれ保険に加入していてくれると保険会社としては儲けにつながるのです。なので、自分みたいな調査員が必要なんだと思いますけど必要悪なのですかねー

こないだのドラマ

こんにちは。元トラック運転手で今は保険会社の調査員をやってるものです。こないだテレビ東京で保険調査員のサスペンスやってたんですけど、実際の現場はもっとドロドロしてることもあります。。。殺人を疑うのはあたりまえで、契約者さんの家族に協力してもらって服用している薬なども調べることがあります。

保険犯罪調査員 佐伯初音 空白の起点

サスペンスの内容は人殺しの疑いを避けるために、他人を保険金の受取人にしてしまうというものでしたが、実際の調査ではまずそういうことはありませんし先輩からも聞いたことはありません。ただ、自殺に関してはけっこう社内でも意見が分かれてしまうところで、免責期間を過ぎていても明らかに保険金目的で他社にも加入していることが分かればご家族に話を聞くことになります。

そして、精神科に通っていたのであれば抗鬱状態がどの程度であったのか、指針高弱によって何も考えずに死を選ぶ可能性があったのかを聞き取ります。たとえば、何かのために複数の保険契約をしていたとしても、会社をクビになったとか取り返しのつかない失敗をしてしまったとか、そういうことが直近であったかどうかなども支払い基準に影響してきます。

保険の調査は複数人チームでやって、会議で報告して会社に報告書を提出します。是非についてきっちり書く必要があるので、けっこう大変な仕事ではありますがたまに告知義務違反とか見つけちゃうと寂しいというか、精神的な負担を強いられてしまうのでけっこう辛い仕事とも言えます、保険調査員の仕事は。